積み上げ棒グラフ内の項目で並び替え(Sorting Segments witin Stacked Bar Chart)

2015/12/22 15:14 Shingo 4 Comments

Nanaeです!
今回のトピックは積み上げ棒グラフです。よく使いますよねー。

積み上げ棒グラフとは、棒グラフ内の項目を積み上げるようにして表現されたグラフのことです。全体の大きさと、各項目の値や割合を把握するときにわかりやすいですね★

では、棒の中のある項目の大きさ降順で、棒を並び替えることはできるでしょうか?
下の図でいうと、棒ごと(顧客ごと)の売上降順ではなく、オレンジ(家具)の売上の降順で並び替えることを考えます。


例として、Tableau Desktopに同梱されたスーパーストアのデータを使います。

まず、最初に下図のような、積み上げ棒グラフを例に進めます。これは、顧客ごとに売上金額で降順し、カテゴリで色分けしています。


これを、選択したカテゴリで大きい順に並び替えたいとき、次の3段階で作成します!

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Step1: パラメータの作成
Step2: 選択したカテゴリを棒内で一番左に配置
Step3: 選択したカテゴリの売上降順で棒グラフの順番を並び替え
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Step1: パラメータの作成
各カテゴリの項目でパラメータを作っておきます。

そして、パラメータコントロールも合わせて表示させておきましょう。

Step2: 選択したカテゴリを棒内で一番左に配置
棒内の順番を変えるには、色に入れている"カテゴリ"から並び替えます。
そのとき、カテゴリに数字を割り当てる計算フィールドを作成して、昇順/降順でコントロールします。

ここでは、パラメータで選択したカテゴリを1、それ以外のカテゴリを0とし、昇順を指定しました。
選択したカテゴリのみ場所を考慮できるようになります。


すると棒内で、右から小さい順に並ぶことになり、値が大きい1(=選択したカテゴリ)は常に一番左に配置されます。

これで、全ての棒で、オレンジ(家具)が一番左に配置されました!

Step3: 選択したカテゴリの売上降順で棒グラフの順番を並び替え
今度は選択したカテゴリの売上順で顧客名を並び替えたいので、顧客名から並び替えを行います。その際、選択したカテゴリだけの売上を表す計算フィールドを作っておいて、そのフィールドで降順にします。


これで形が完成しました!!

これでやりたいことは完成です!


ここでは、見た目をあと少し加工しました。ポイントは2点!

ポイント1: 売上額を"万円"で表示
"万円"での表示用の、売上を表す計算フィールドを作成。列をこのフィールドに変更。

その表示単位として、"¥"と"万円"をつける。


ポイント2: 棒全体の売上額を表示
アナリティクスペインから平均線をセルごとにひいて、棒の右側に値を表示させています。細かい設定はダウンロードして確認してみてください:)


以上、わりとニーズはあるんですがなかなか実現するのが難しい、積み上げ棒グラフの並び替え問題でした!

Nanae

ダウンロードはこちらから↓


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9.2新機能!Mapbox連携 (Mapbox integration)

2015/12/08 9:25 Shingo 1 Comments

こんにちは、Nanaeです。

v9.2から、簡単に、様々な地図を使ってマッピングすることができるようになりました!

Mapboxとの連携ができるようになったからです。Mapboxとは、ユーザがオリジナルの地図を作れるサービスです。元の地図はOpestreetMap(オープンソースの地図)なので著作権の心配もありませんし、Tableau連携するときMapboxは無償版(STARTER)でも利用できますので追加の料金も必要ありません。デフォルトのものから選べば、あらかじめ自分で地図を作っておく必要もなく、すぐに複数の地図を使えます!

使い方としては、まずはMapboxに登録します。
https://www.mapbox.com/
アカウントを作る画面に行き、STARTERなどプランを選んで必要な情報を入力します。

アカウントができたらログインします。ログイン後の画面で、左下のAccountを押します。

右上のAPI access tokensタブからAPI access tokenをコピーしておきます。これは自分のアカウントに紐づいています。

次にTableau Desktopから、Mapboxの地図を出すように設定します。
マップメニュー→バックグラウンドマップ→マップサービス

追加→Mapboxマップを押します。

スタイル名を自分で決め、APIアクセストークンに先ほどコピーしたtokenを貼り付けます。
ここでは、はじめからMapboxが用意してくれているデフォルトの地図から選びます。MapboxプリセットスタイルでBasicが選択されているドロップダウンから、好きな地図を選択してください。
なお、カスタムを使うには、Mapbox側で地図を作っておく必要があります。

あとはいつも通り地図を出せば、選択したMapboxの地図が出てきます!かわいいものや海外っぽいものまでデフォルトでも何種類も用意があります。これは「パイレーツ」を選択したものです!

地図に幅が広がりましたね:)

その他のv9.2の新機能は以下リンクからご確認ください。
Tableau Desktopの新機能
http://onlinehelp.tableau.com/v9.2/pro/online/windows/ja-jp/help.htm#whatsnew_desktop.html

Nanae


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9.1 + 9.2新機能 まとめ

2015/12/07 12:29 Shingo 2 Comments

Nanaeです。こんにちは!

Tableauは新しいバージョンが短時間で出てきます。もうすぐ9.2がリリースされる予定です。そこで、9.0以降の新機能をまとめます。

2015年4月に待望の9.0が出てきました。大幅な機能拡張、UIの改善などがありましたね。
日本語の動画での説明が下記投稿から見られます。
http://tableaujpn.blogspot.jp/search/label/9.0
ちなみに、すでに9.0は9.0.8までリリースされていて、さらに改善がなされています。

その5ヶ月後、2015年9月に9.1が出ました。そこでの新機能一覧は以下の通り。

一番着目されたのは、Webデータコネクタだったかと思います。インターネット上にあるあらゆるデータに接続することができるようになったので、Facebook、Twitter、Linkedinなどのデータの活用が進みました。

そしてついに、9.2がリリースされます!新機能一覧は以下!

今回は、Tableau Desktopでの操作性向上、地図機能強化、データ関連、モバイル、Server関連の機能強化がなされています。

9.0、9.1、9.2の新機能の詳細は、以下リンクからご確認ください。
Tableau Desktop
http://onlinehelp.tableau.com/v9.2/pro/online/windows/ja-jp/help.htm#whatsnew_desktop.html
Tableau Server
http://onlinehelp.tableau.com/v9.2/server/ja-jp/help.htm#whatsnew_server.htm
Tableau Online
http://onlinehelp.tableau.com/current/online/ja-jp/help.htm#whatsnew_online.htm

次回、9.2の新機能を使ったMapbox連携方法をお伝えします★

Nanae

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連続と不連続(Continuous and Discrete)

2015/12/04 16:35 Shingo 2 Comments

こんにちは、Kaoriです。
TC Las Vegas, Tokyoとでドタバタしていたらブログすっかりご無沙汰になっておりました。。。

さて、気を取り直して今回は連続と不連続についての記事です!!



連続と不連続といえば、なんとなく概念的にわかっている人もいるでしょうし、全然知らないという方もいらっしゃるかと思います。ですが具体的にどう動きが変わるのか、というところはあまり知られていないのかな、と思ったので解説してみます。

連続と不連続は日付に限った話ではないのですが、今回はわかりやすい例なので日付を使っていきたいと思います。
まずは日付についておさらいしていきましょう。


Tableauで何も考えずに日付をドラッグ&ドロップして月だけを表示するとこんな感じになると思います。


月を右クリックして中を覗いてみるとこうなっています。
なぜか年、四半期、月、日という同じ項目が二つずつ並んでいます。
これはどう使い分けたらいいでしょう? 使い始めの時期は戸惑うポイントじゃないかと思います。


今選んでいる月は上にある月です。
右に書いてある凡例に注目していただきたいのですが5月と記載されていて、つまりここには年の情報が入っていないということがわかります。
したがって今出ている折れ線グラフは月ごとの集計値の推移、つまり複数年分のデータがあったとしたらそれらすべての年の1月の売上、すべての年の2月の売上・・・といった形で集計されています。
ここに列や行や色などといった箇所に年を入れてあげればそれぞれの年の売上を出すことができますが、それはまた別のお話・・・


さて、ここでみなさんに注目していただきたいのは下の方にある「不連続」に●がついているということです。
この値は不連続なんですね。


では、もう一つの月と見比べてみましょう。

下側の月を選んでいます。

こちらは「連続」に●がついています。

連続と不連続の違い、というのは年月でもてるか月単体で持つか、といったことではないんです。
それはあくまでTableauでよく使うからこういう選択肢を用意しているだけで、実は年月の情報を持っていたとしても不連続に変換することは可能です。
不連続に変えるとこんな感じで年月の推移を不連続で見ることができます。


じゃあ連続と不連続の違いってなんなの????
ということになると思いますが、まずは見た目の違いから押さえていきましょう。

【連続の場合】


【不連続の場合】


違いその1: ピルの色が違う(連続=緑、不連続=青)
違いその2: グリッド(連続=あり、不連続=なし)
違いその3: 年月の表示方法(連続=軸(目盛り)、不連続=ラベル)

見た目はこんな違いがありますね。
では概念的にどう違うのかおさえていきましょう。


日付って時間で、時間は過去から未来へと流れていきますよね。この時系列の流れを変えることはできない、連続値というのはその特性を受け継いでいます。
数値の場合も同じです。1、2、3、4、5、6、7、8・・・と進んでいく数字の順番を数字の意味として変えることは不可能ですよね。
それからもうひとつ、その値は見栄え上分かれているように見えるかもしれませんが、時間だろうと数字だろうと、ずーっとつながっているものですよね(1から2の間には1.5があったり1.99999999・・・があったり・・・)。連続値というのは分断されていなくて、つながった一本の線なんです。

だから連続を列や行に持ってきたときには、そのつながった流れの上にのせてプロットしていることになります。

では連続を不連続に変換するとどうなるでしょうか?

日付や数値だった場合は、これを所定の単位で分断してバケツに入れ、名前(ラベル)をつけているというイメージです。
これはもはや繋がっていません。名前は同じ2011年1月ですが、全く違う性質を持っています。
2011年1月と2011年2月は明確な区分で持って分断され、つながったものではなくなっているんです。
そしてこの情報は名前として理解されているので、2011年1月が2011年2月より前に存在する、という情報はなくなっています。

ではこれらの性質を理解したうえで、Tableau上での動きの違いを見ていきましょう。
たとえばリファレンスラインを引いてみます。


連続値は繋がった線なので、リファレンスラインを入れることができます。

不連続にしてしまうと線を入れられません。
ラベルで分けられたものに線を入れることに意味がないからですね。


では不連続ではどういうことができるでしょう?

バケツを作ってラベルとして切り分けた状態でなので、もう時系列の順に並べなくても表示できます。
したがって売上順に並べ替えたりすることが可能です。

2014年9月がもっとも売り上げが高い月だったことが並べ替えでわかります。

連続値の年月は時間という概念をもった順番の決まっているものなので、売上順に並べ替えたりすることはできません。


いかがでしたでしょうか?
連続と不連続、ちょっと難しいと思われがちな内容ですが、できるだけわかりやすく説明できたらと思って書いてみました。
参考になる情報があれば嬉しいです!

Kaori

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動的な注釈 (Dynamic Annotations)

2015/11/25 15:28 Shingo 0 Comments

こんにちは、Nanaeです。

注釈って、ビューにベタ張りのものだと思っていませんか?
今回は、注釈を見せる/見せないを変更したり、いくつかのパターンで注釈を見せたいときなど、
何パターンか用意した注釈を選択して表示するテクニックを3種類ご紹介します。いわゆるダイナミックアノテーションと呼ばれるテクニックです。

↓このようなイメージで、右側の選択で表示する注釈を変えられる、というお話です。

まずは、注釈のおさらいです。注釈には3種類ありましたね。
・マーク:選択したマーク(棒グラフの棒や、線グラフのプロット部分)に対して注釈がつく。逆に言うと、マーク部分でないとこの注釈は入れられない。
・ポイント:ビュー内のあるポイント(点)に対して注釈がつく。
・エリア:ビュー内のあるエリアに対して注釈がつく。外れ値の説明や、あるエリアの説明に適している。

ポイントはある点を矢印で指しますが、エリアはある点の周辺に四角で置かれます。

ポイントとエリアは、フィルターなどで表示される範囲が変わったときに、表示されなくなる可能性があることに注意してください。
以下は、マーク、ポイント、エリアの注釈を入れた例です。

フィルターを使って全体の一部を表示させたとき、軸が変わります。そのため、フィルターの選択によっては、ポイントとエリアの注釈は見えなくなってしまいます。

それでは本題に入ります。何パターンか用意した注釈を、動的に選択する方法です。
(以下、Tableau Desktopに同梱されているサンプルのスーパーストアを使います。)

注釈を見せる/見せないなど、注釈を2通りで見せたいときに簡単に使える方法です。

☆動的な注釈1:二重軸を使用
左側と右側の軸で、異なる注釈がついたメジャーを持たせます。

Step1: パラメータの作成
パラメータで、2通りの注釈が選べるようなリストを作ります。下記例の場合は、表示と非表示のリストとしました。

Step2: パラメータコントロールの表示

Step3: 計算フィールドの作成
パラメータに対応させた計算フィールドを作成します。下記例の場合は、パラメータで1が選ばれたときに[売上]が表示されるフィールドを作っています。
今回はパラメータが0のときは注釈を付けないので、元々ある[売上]のフィールドを使いますが、注釈をつけたい場合は、もう1つ同じような計算フィールドを作る必要があります。

Step4: 行列に配置
列:四半期(オーダー日)
行:合計(売上)、合計(売上(注釈表示))

Step5: 注釈をつける
「表示」にした状態で注釈を付ける。

Step6: 二重軸にする

これで、注釈のない[売上]と、注釈のある[売上(注釈表示)]を、切り替えることができます。

これは簡単に変えられるので便利ですが、注釈を二重軸で実現しているため、二重軸でチャートを表現しているときには使えません。。。また、3種類以上のパターンで注釈を使い分けたい場合もあるかと思います。そこで、もう1つの方法です。

☆動的な注釈2:計算フィールドを作成し、メジャーバリューを活用
片方の軸をメジャーバリューにして、そこに複数のメジャーを入れていきます。

Step1: パラメータの作成
注釈のパターンの数だけリストを作ります。ここでは、最高売上、最低売上、注釈なしの3パターンのリストを作っています。

Step2: パラメータコントロールの表示

Step3: 計算フィールドの作成
以下の計算フィールドの"1"を"2","3"に変えて、各パラメータのリストに対してそれぞれ計算フィールドを作成します。

Step4: 行列に配置
列:四半期(オーダー日)
行:メジャーバリュー、合計(利益)
メジャーバリュー:合計(売上(最高売上))、合計(売上(最低売上))、合計(売上(注釈なし))

メジャーネームとメジャーバリューについての説明はこちら。
http://tableaujpn.blogspot.jp/2015/10/mystery-of-measure-name-measure-value.html
ここでは、二重軸のチャートに対して、動的に注釈がつけられることを表すために、利益の棒グラフも二重軸として入れています。

Step5: 注釈をつける
パラメータを変更しながら、出てきたグラフに注釈をつけていきます。

すると、選択されたパラメータに対応する計算フィールドだけが表示されるので、結果的に表示させる注釈を変更できるようになります。

この方法は理解しやすいですが、計算フィールドを選択数分作成する必要があるので少し手間かもしれません。。。そこで、次の方法です。

☆動的な注釈3:詳細を使用

Step1: パラメータの作成
2番目の方法と同じパラメータを使います。

Step2: パラメータコントロールの表示

Step3: 計算フィールドの作成
作成したパラメータだけが入った計算フィールドを作成します。

Step4: 作成した計算フィールドを、合計(売上)の方のマークカードにある詳細に置く

Step5: 注釈をつける
パラメータを変更しながら、出てきたグラフに注釈をつけていきます。

これで、パラメータを変えると出てくる注釈も変わるようになります!
詳細の使い方がポイントでした!

注釈は使っていない方も多くいらっしゃると思いますが、これを機に使ってみてください:)

Nanae

ダウンロードはこちら。



参考:
オンラインヘルプ (注釈)
http://onlinehelp.tableau.com/current/pro/online/ja-jp/annotations_annotations.html
VizPainter (Dynamic Annotations)
http://vizpainter.com/89/
http://vizpainter.com/dynamic-annotations-part-2/
http://vizpainter.com/dynamic-annotations-part-3/

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